小さな頃から、わたしは自分の住んでいる地域が大好きでした。
これといって何かがあるわけではないのですが、
畑の野菜を分けてもらったり、
近所のおばさんが大正琴を始めたという話をうれしそうにしてくれたり。
今考えると明らかに私有地なのですが、近所の人から「前の芝生」と呼ばれているエリアがあり、
近所の子や友だちとゴザを広げて遊んだり、雪の日にソリをしたりもしていました。
手先が器用でなかった母に代わって、裁縫を教えてくれたのは向かいのおばさんで、
おからの作り方を教えてくれたのは3軒向こうのおばあちゃん。隠し味はバターでした。
思い出すと止まりませんね。
よくそんなことができていたな、と思うこともたくさんあります。
父の職業や、母の考え方、兄と年が離れていることなど、
きっといろんな要素が集まった結果の生活だったのだと思うのですが、
自分の家の中だけで暮らしてるんじゃない、という感覚があり、
それが自分の住んでいるところが好き、という感じにつながっていたように思います。
就職をして1人暮らしを始めてみて、
知らない人の足音や声や物音と不安が結びつくことがある、ということを初めて体験しました。
自分がいろいろなものに守られていたことや、その中で暮らしていた心地よさがあったんだなと思いました。
また、会社と自宅(というか寝床)の行き来の中だけの人間関係に、だんだん不安を感じ始めました。
スーパーも駅も近いのですが、こういう暮らし方で自分は楽めているかなと思うと、ちょっと言葉につまる・・・。そういう感覚がありました。
そんなときに、ちょうど新しいプロジェクトが始まると聞いて、
ずっと関心を寄せていたコレクティブハウスの企画づくりワークショップに参加してみることにしました。
与えられたところに自分をどうやってあてはめるかではなく、自分がどうしたいかを言葉にしたり、ほかの人の思いやアイデアを聞いたりしながら何かを作り上げていくことには、時にむずかしさも感じますが、
それは自分の中のそういう部分が止まっていたからなんだろうな、と思っています。
自分たちの暮らしをその時に出会った人とともに紡いでいくことを、楽しみにしています。
E・K
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